さとう社会問題研究所では、カウンセリングや対人関係のコンサルティングを行っております。詳細はページ下をご覧ください。

さとう社会問題研究所コラム

今回は、当方が具体的にどういう相談に乗っていて、カウンセラーとして、どういう動きをするか、あるいは出来るのか? それを具体的に書いて欲しいというご希望があり、改めて書いてみようと思いました。

やはり、対人対応に関するご相談が多いと思います。対人関係での精神的消耗は、「うつ」の重大な原因でもあり、精神的なサポートは当方の基本的な業務です。
職場や学校、ご家庭が中心ですが、いじめや部下の方に対する対応(いわゆる『不適応社員』など)だけでなく、身近な親族の方との間の愚痴をうかがうこともあります。身近な親族の場合、ご病気に対する『無理解』や介護の愚痴をうかがうことが多いです。
以前、深刻な事態に至っていない段階でしたが、ストーカーに対処する方法などのご相談もありました。

また、ご病気に関する相談も受けます。病気の症状による苦しいお気持ちもうかがいます。
ご病気で苦しんでおられる場合、社会的な偏見から、その苦しみが他人に理解してもらえないのではないか、という不安がある方も多いです。
私としては、常々、それは本当につらく苦しいもので、そういう苦しみは決して珍しいものではないとお伝えしております。

ご病気は相談者本人のものだけでなく、身近な方のものについてもお受けしております。
患者さんのご家族には、患者さんの妄想や幻覚に対し、対応に戸惑っておられる方も多いと思います。
また、医師や臨床心理士などの対応にも不安を持っておられる方も多く、ご説明をすることもあります。

あと、病気や対人関係だけでなく、個人事業主の方からの愚痴もうかがっております。
当方は経営学も守備範囲にありますので、事業の中でのお話をうかがい、情緒的なサポートだけでなく、ある程度の手段的なサポートも行っております。

当方では、「相談」とは「見えないものを見えるようにする」ことが最も重要な事だと考えております。これは、カウンセリングでも重要なところです。
本来、他人に相談する最大のメリットは、客観的な位置から問題を見てもらい、相談者に見えていない問題の側面を明らかにすることです。
専門家に相談する目的は、問題に対応する情報的(道具的)サポートを得ることが最大の目的だと思います。
情報的サポートとは、、「問題解決の手法の提供」を目的とするソーシャルサポート(社会的支援)です。
そのため、相談を通じ、「問題点を明確にすること」と「問題解決のための手段や専門知識の提供」という2点が不可欠な仕事だと考えております。
そして、当方の最大の「売り」は、対応できる専門分野の広さです。親族への愚痴をうかがいメンタル面でのサポートや簿記3級の仕訳についてお教えしたりなど、日常生活でのさまざまな局面でご利用いただいております。

以前から、「相談で話を聴くだけで時間の無駄」という多くの方からのカウンセラーや相談に応じる側への不満としてお話をうかがっております。
せっかくお金を支払っているのに、思ったような支援が得られないという不満をうかがうことが多々あります。
本来、カウンセリングとは、「傾聴」と「気付きを促す」ことを重視するのですが、クライアントとカウンセラーとの必要なサポートや手順や在り様に齟齬があるのだと考えております。
たとえば、カウンセラーのお仕事は、的確なやり取りで気付きを促すことです。臨床心理学的な手法で気付きを得られたクライアントの変化の大きさは私も何度も経験しております。

しかしながら、当方でうかがう多くの不満が、「具体的な解決策を教えてくれない」というものです。
カウンセラーや医師のお仕事にはコンサルテーションという側面もありますので、まったく何も教えてくれないことはないはずですが、医師やカウンセラーは、医学や心理学の専門家ですので、相談に応じられる範囲が限られていると感じることがあります。
ご相談の中には、カウンセラーや医師の教育だけしか受けていない専門家には、到底、知り得ないような内容のご相談もありました。
そういう時には、「話を聴くだけ」に止まってしまうことも多いと思います。
とても傷付いておられる方の場合、そういう時に、「見捨てられた」と思ってしまう方が多いです。

その点、、当研究所では、専門分野の範囲が広く、基本的に「コンサルティング」として業務に当たっているため、一方的に「教える」という形の対応ではなく、クライアントとのやり取りの中で、お互いに提案と検討を行っております。
そのため、当研究所の相談では、クライアントが見捨てられたような気分になるという不満は少ないのだと思います。


2012年2月26日。著作物です。無断転用は禁止します。 さとうかずや(さとう社会問題研究所)


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