さとう社会問題研究所では、心理コンサルティング、ハラスメント防止教育などを行ってます。詳細はページ下をご覧ください。 さとう社会問題研究所コラム
疾患や障害が裁かれない世の中を目指して 精神疾患の症状は、主に精神症状と身体症状に分かれます。 身体症状とは、ストレス性の体の痛みや感覚の異常など、精神症状とは、病的な抑うつなどと説明されるものです。 私の場合ですと、上記の身体症状や、精神症状ですと、過去の虐待体験のフラッシュバック現象などがあります。 どちらが、どれだけという事も人によって異なります。 私は身体症状の方が多いです。痛みと不自由で辛いですが、客観的には普通に生活しています。 症状に共通しているのは、本人だけが自覚できるものが多く、客観的には理解できないものが多いです。 一般的には、その症状は「人間としての欠点」と認識され、改善の対象になっています。 先の説明で、精神疾患の身体症状と精神症状とを、「主な症状」としたのは、「心の苦しみ」や「生き辛さ」という、患者さんの心の中、思考など、主観面からの固有のもので、客観的には「対人関係のトラブル」になりやすいものです。 私は、単純な精神症状としての説明に止めるべきではないと考えています。 たとえば、どんな症状があるのか・・・ 私が受けている相談の中では、「自分の子供との接し方が分からない」「就職しても、職場の人間関係ですぐに辞めてしまう」「パワハラを受ける」というものが主立っています。 私も、似たような事を繰り返していますので、今の事業を立ち上げ、このコラムやブログを通じ、発言してきたつもりです。 それ故、私は患者さんの治療や改善よりも、患者さんご自身の生活のサポートに特化している位置づけです。 患者さん以外の方に対しては、そういう現実があることを理解して受け入れて欲しいと発言しているつもりです。 「患者さんの問題行動の解消法」としては、それが最善ですし、「悔い改めさせる方法」などは存じ上げていません。 さて、これは、私の主観になりますが、患者さんに接する際の注意点を挙げておこうと思います。 これまで、多くの方からお話をうかがってきて、ある程度の共通性が見られたので、かなり信憑性のあるものだと自負しています。 1、基本的に、患者さんの頭の中は、常にパニック状態です。 2、ストレスを与えると症状はさらに亢進します。 1、2、の説明を同時にしますが、「患者さんの冷静な状態」というのは、一般的には冷静な状態ではないです。 常に、「何かに対する恐怖」と「それに対する警戒心」で満ちています。 私の場合、「人に対する恐怖心」がそれに当たるでしょう。一般的には、「家では落ち着いているが外では奇行が目立つ」というのが、「患者さんの冷静な状態」でも言われています。 そのため、「何かのきっかけでパニックを起こす一歩手前の状態」と言ってしまえるでしょう。 その「何かのきっかけ」は、ストレスでもあります。ストレスは、精神疾患に起因するすべての症状を悪化させます。 3、症状に起因する問題を直接指摘するとパニックになる。 これは、「人格の否定」と同じ受け止めになってしまう方が多いです。 人格を否定されると、どうして良いか分からなくなるので、余計に心を閉ざしてしまいます。 攻撃的な対応に対し、反撃行動に出る方も見受けられると思います。 4、一度に多くの事を伝える場合、紙に書いた方が良い。また、一度に多くの改善を求める場合、優先順位を付けた方が良い。 これは、発達障害の方に対する対応でも言われるものですが、精神疾患の方でもそうしてあげて欲しいです。 精神疾患の方の場合、記憶や認識に難がある方も多いです。 私のクライアントには、「見たものは映像としてすべて記憶でき、再現できる方」や「暗記が得意で歴史で満点を取り続けた方」と、「昨日の事さえも思い出せない方」「聴いた瞬間から思い出せない方」もいらっしゃいます。 私のように、「ストレスがあると、その前後の記憶を失う人」もいるでしょう。これは解離性健忘に近いと思います。 そのため、大事なことは文書で伝え、多くの事には順位をつけて、「決して全部を同時に」とは言わないことです。 支障が出たときの改善の負担を、患者さんたちが負わされているのが現状です。 ご自身の内面の苦しみと戦わねばならない上、支障が出ないよう自分を変える努力をしなければならない。 「みんなができる事を自分だけできないのは間違っている」というのが社会の前提だからです。 そのため、「人としての欠陥」「生きている価値が無い」と思わせるほどです。 もちろん、障害者と言うことでしたら、障害年金や生活保護などの支援も受けやすくなっているのですが、どちらかと言えば、社会の隅に追いやられているというのが、より正確なところでしょう。 もちろん、その負担に耐え、修行のような日々をお過ごしの方もいらっしゃいます。 私のように社会に向けて発言を続ける者、障害に苦しみながらも社会生活の中に身をおいてらっしゃる方も多いですが、ストレスフルな状態のため、日常生活にさえ支障が出てしまい、仕事を変え続ける方も多いです。 最悪、自傷行為や自殺と言う形で苦しみから逃れようとなさる方も多いのが現状です。 今回は、依頼された仕事とその中身との乖離。悲しさと反省と自戒を込めての記事にさせていただきます。 2014年3月8日 著作物です。無断転用は禁止します。 さとうかずや(さとう社会問題研究所)
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