さとう社会問題研究所では、心理コンサルティング、ハラスメント防止教育などを行ってます。詳細はページ下をご覧ください。 さとう社会問題研究所コラム
でっち上げDVと戦うために必要なもの 依然として、当研究所の検索ログを見ると、でっち上げDV、連れ去り引き離しに苦しむ方が多いのが良く分かります。 民法766条改正、ハーグ条約、親子断絶防止法議員連盟など、いろいろな情報は入っていますが、あまり、事態を大きく動かすには至っていないようです。 私の方も、あらゆるハラスメントに対抗すべく、ハラスメント防止教育で、この問題に対抗する手段をお伝えしていますが、利用者が伸びないこともあり、十分なデータが集まっていません。 でっち上げDVの事案ですと、弁護士探しも難しいようで、なかなか、裁判も起こせないようです。 そのため、私のハラスメント防止教育では、一般的な観点から問題解決の手法を考え、現状と比較しています。 具体的には、裁判での証拠と心証形成の話は、受講者には大きな衝撃となるようです。 さて、私が、この問題に取り組む中で、一番、解決を阻害している要因は何か?と問われたら、やはり、「当事者同士での足の引っ張り合い」だと答えます。 足の引っ張り合いの原因は、様々なものがあるのだと思います。 ただ、その争いが、でっち上げDVや連れ去り引き離し問題に対し、どういう効果をもたらすかと言えば、「当事者の醜聞」以上の価値を持つことはないでしょう。 「やっぱり、DVをする人たちは違うわね」という事です。 心理コンサルタントという専門的な立場からも、そういう争いに勤しむことにはデメリットが多いと言えます。 不当な社会的排除のストレスの解消に、問題の相手方や他人の批判をブログなどでも展開なさる方も多いと思います。 ただ、ブログで書いていることは、ネットで公開されていますし、書いてスッキリしている間に、その言動をDVの証拠として利用されてしまうことにもなりかねません。 特に、批判的な言葉と言うのは、エスカレートしてしまう傾向にあり、ストレスの悪循環で余計に心が荒んでしまっている方もいらっしゃいます。 私は、ブログやSNSは、カウンセリングにはならないと考えているほどです。 特に危険なのが、当事者同士のコミュニティを作って、被害者意識の拡大が悪循環してしまうことです。 社会的排除の被害者同士のコミュニティですので、「自分の事を分かってくれる」という期待も強くなるでしょう。 そのため、一度、内部に亀裂が入ると、裏切られたことに対する怒りも、より強くなってしまいます。 また、当事者同士のコミュニティだと、客観的な第三者からの批判はなく、どうしても、内輪の議論になってしまいます。 その結果、傷の舐めあいに過ぎないやり取りを続けるだけだったり、社会心理学で言う「リスキーシフト」、過激な事をいう事で賞賛を集められるようになり、思考や言動、解決法が、ますます社会的に過激なものになってしまう。 そうなると、社会からの理解を得られにくくなってしまうことになります。 安易に仲間作りをして揉めている方もいらっしゃいますが、一度、一人になって考えてみた方が良いと思います。 そもそも、私は、でっち上げDVや連れ去り引き離しとの戦いは、一人で行うべきものだと考えています。 アダルトチルドレンとしての社会的排除の経験から、苦しみとは、一人で耐え抜くものだからこそ、強くなれる側面があります。 当事者による支援活動も、揉め事になって終わっているような情報ばかりが入っています。 そのため、当事者間の情報を集約し、分析する時や社会に訴える時だけ団結し、普段は、お一人で心安らかにお過ごしになっている方が、精神的にも良いと思います。 もちろん、誰の支援も得られないというのは、とても辛いですし、返って良くないです。 家族との接触ができない以上、安心してコミュニケーションを取れる相手も外に求めざるを得ないです。 私も、苦しみを受け止め、かつ、適切な助言ができる支援者が必要だと考え、このハラスメント防止教育を始めました。 そのため、私のハラスメント防止教育は、「常に、一対一のやり取り」で行っています。 社会的な排除の被害者ですと、「第三者に自分の気持ちが分かるのか?」という不安も強いと思いますが、私は、客観的な第三者として、ですが、もちろん、批判者ではなく味方として対応します。 カウンセラーとしてお気持ちをうかがったり、心理コンサルタントとして、当時の当事者間の心理的なやり取りや行動の戦略的意味などの説明も行っています。 もちろん、現状取り得る最大限の助言もさせていただきます。 ご相談者の中には、当時の行動がDVに該当するものであった方もいらっしゃいますが、私は、それを批判することはないです。 問題点を真摯に受け止め、反省し、今後に改善していただけるのでしたら、批判する必要もないことだからです。 私は、心の回復に必要なものは、まず居場所だと考えています。 社会的排除の被害を繰り返せば、次第に社会からの距離も開き、人との距離も遠のいてしまいます。 現状の当事者の足の引っ張り合いも、社会の中での閉塞的な状況への不満の捌け口として行われているものだと認識しています。 私が、DVで訴えられた時の社会的排除の深刻さは、認めなければ加害者の合理化や正当化と言われてDVで子供に逢えない事。 仮に、DVを認めて反省しているとしても、「やっぱりDVしていた」で、子供に逢えない事。 つまりは、反省や後悔をし、加害者更生教育を受けたとしても、社会的に許される余地がないことにあると考えています。 私のハラスメント防止教育の目的は、ハラスメントを防止することだけではなく、その、反省や後悔、ハラスメントを学ぶことで、社会的に許される余地、つまりは、単純にDVを理由とした、連れ去りや引き離しを正当化できない社会的環境の構築にあります。 2014年4月11日 著作物です。無断転用は禁止します。 さとうかずや(さとう社会問題研究所)
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