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さとう社会問題研究所コラム

集団化した被害者とストレス行動


社会問題を解決する活動が失敗しやすい理由の事例です。


人は群れると力を手に入れたと錯覚します。


これは、群集心理の一つです。


ただし、本当は「人が集まっただけ」の事であり、「個々の人間の能力が向上した訳ではない」という事を見誤らせます。


強い被害者意識は自分の立場を見誤らせます。


強い被害者意識は何かしらの解決がなされない限り、慢性的なストレス状態として、当事者の認知を少しずつ変えていきます。


また、ストレスは依存性や攻撃性を亢進し、行動化を促します。


だからこそ、社会問題は深刻化する前に解決する方法を探る必要があります。



下の記事の事例は、その具体的なものです。



セウォル号遺族が「モンスター化」 運転手を暴行、「俺たちが誰だか知っているのか」


2014年9月22日 19:25 (J-CASTニュース)


 韓国の旅客船「セウォル号」の沈没事故から5か月、遺族会メンバーの「モンスター化」を浮き彫りにする事件が起きた。

 酒を飲んだ遺族会幹部らが運転代行業者と口論になり、集団暴行に発展したという。

■待ちくたびれた運転手に「その態度はなんだ」

 暴行事件に関わったのは、沈没事故で多くの犠牲者を出した檀園高校生徒の遺族を中心とする「セウォル号惨事家族対策委員会」のメンバーだ。

 韓国メディアの報道をまとめると、2014年9月16日、遺族会の委員長ら幹部や複数の遺族は野党第1党「新政府民主連合」の国会議員とともに夕食を取っていた。遺族らは酒を飲んでいて、日付が変わり17日の深夜になって運転代行業者を呼んだ。ところが運転手の到着から30分以上店から出て行かなかったため、運転手側はしびれを切らしたのか、他の業者を呼ぶよう声をかけた。

 すると遺族らは驚くべき行動に出た。帰ろうとする運転手に対し、「国会議員に対してその態度はなんだ」「国会議員に対する態度ではない」などと言いがかりをつけたというのだ。

 朝鮮日報(日本語版)はこの時の様子を詳しく伝えている。記事によれば、運転手が「国会議員にはぺこぺこしなければならないのか」と言い返すと、1人が「お前は国家情報院の関係者だな」と叫んだ。また、争いを止めに入った通行人が「警察を呼ぶ」といえば「俺たちが誰だか知っているのか」と大声を上げたという。その後、運転手と通行人を巻き込んだ集団暴行に発展したようだ。

 暴行が一方的なものだったのか双方によるものだったのかについては、運転手と遺族側で意見が食い違っているが、遺族会は暴行事件の責任を負うため、17日に役員9人全員の辞任を決めた。また、22日の報道では一部の幹部が事件への関与を認めたと伝えている。警察は否認している幹部についても「暴行の事実は監視カメラの映像でも十分に確認できる」としているそうだ。

■「捜査権・起訴権」求め特別法合意案を拒否

 事件の詳細は明らかになっていないものの、こうした遺族らの振る舞いを「行き過ぎ」だと感じた韓国人は少なくない。インターネット上には、

「ついに本性を現し始めたね」
「家族対策委員会は新しい国会議員ですか?」
「こんな人たちに子を失った遺族として同情した時間がもったいない」
「家族対策委員会の人物が私に『どうせ遺族なら警察も動かない』と自慢していた話にも当てはまります」

といった飽きれ声や怒りの声が相次ぎ投稿されている。

 こうした一部遺族の「モンスター化」は以前から指摘されてきた。事故以降、大統領をはじめ閣僚や国会議員に対する乱暴な言動が度々報じられ、国民に不快感を与えているという。さらに、政治にも大きな影響を及ぼしている。

 家族対策委員会は自らも参加する調査委員会に「捜査権」と「起訴権」を与えるよう強く主張している。そのため、これまでに与野党が取りまとめた同事故の特別法の合意案も、遺族の反対のせいで野党第1党が2度とも覆した。

 与野党の対立によってセウォル号関連法以外の法案処理が滞り、政治は混迷。高校生被害者を除いた一般人犠牲者の遺族グループである「一般人犠牲者遺族対策委員会」が「犠牲者の悔しさ、遺族の絶望感と恨みを与野党の争いの道具として利用してはならない」などとして与野党合意案の受け入れを表明したのとは対照的だ。

 朝鮮日報によれば、家族対策委員会は「遺族の代表は今や野党の上王(譲位した国王)」とまで言われ始めているという。



2014年9月23日 著作物です。無断転用は禁止します。 さとうかずや(さとう社会問題研究所)


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