さとう社会問題研究所では、心理コンサルティングなどを行ってます。

さとう社会問題研究所コラム


一気飲み死亡事故がなくならない理由を考察してみた


今回は、有料メルマガ『さとうの「そこ」から始めよう』の第94回(2019年6月14日配信)で先行配信した、わたくしとしては初の考察記事となります。

これについて、闘う主婦!さんからご意見を始め、既に幾つかご質問もいただいているのですが、それは別の形でさせていただきます。

お話しした内容を文字に起こしたものなので、こちらでは少し文章を修正しております。


(考察は)以前からやってみたかった事なのですが、何でこれ(一気飲み)やるのかな?って

わたくし自身お酒飲まないので、お酒好きな方のお気持ちは分からないのは当然なのですが、学生さんが、そんなにお酒をたしなんでいるとは思えなくて、「たしなんでいる」の基準は、わたくしの母親、アルコール依存でくたばった人間です。

お酒って、場とか雰囲気で飲む物でもあるので、そこまでお酒が好きで飲んでいる学生って少ないのでは?と

それと、人間が同じ失敗を何度でも繰り返すというのは、社会問題の解決を妨げている大きな課題の一つなので、この点からはアプローチしていこうと思います。

原因探しとか犯人探しではなくて、あくまで人が失敗に至る過程を心理、行動から見ていこうかと

社会問題の活動が同じ失敗を繰り返す場合、基本ができていないから、この基本と言うのは、わたくし基準なのですが、基本ができていないから何度でも同じ失敗を繰り返すというのは、何にでも通じる事です。ゲームでも仕事でも勉強でも

学生さんが一気飲みで死ぬ場合の基本と言えば、気安く飲み会を開くな、酒を飲み過ぎるな、一気飲みするな、という事ですね。

酒の飲み過ぎが体に悪い事は、アルコール依存の方でも知っています。

知っていてもやめられない、分かっていても止められない。それが依存です。

脳みそが辞めさせてくれない

近年は大学も注意喚起しているので、学生さんが飲み過ぎの危険性や一気飲みの危険性を知らない訳がない。

でも、今でも毎年のように起こっていて、最近も報道ありました。


一番分かりやすいのは「あくまで他所事。自分だけは大丈夫」というもの。

「安全バイアス」「安心バイアス」と呼ばれます。

恐らくは、多くの専門家も、この説明で止まると思います。


この先の事を考えてみました。

自分でも、専門家の意見としてはいかがなものかと思いますが、ここは「さとうかずや」の放送で、メルマガも、「さとうのメルマガ」なので、さとうかずや的な考えを述べさせていただこうと思いました。

わたくしが考えた一番の問題は、「お酒の飲み方を教えないから」ではないかと考えました。

先述の注意喚起も、「飲むな」という類のものであって、「飲み方」の類ではない。

わたくしの生活相談の中では、健康に関するお話も多く、やらない方法ではなく、やる方法をお伝えする事が多いです。

やらない方法って、やらなければ良いだけなので特に教える事もないと思います。

やりたい人たちにやらない事を伝えても基本的に意味がありません。

研究所がDVの当事者のみなさんから恨みを買い続けている理由も、当事者の皆さん方と真逆の事を言っているからです。

で、「やるな」というアドバイス、「黙る事」や「待つ事」もですが、これを採用していただける方というのは本当に少なくて、それが研究所のクライアントなのです。


反対に、DVの当事者に関わらず、多くの方は、この手の助言に対しては、無視をなさるか、恨まれます。

コンサル業の表現で言うと、契約を切られます。

この原因については、子供の教育とも似ているのですが、否定的な助言と言うのは、責められていると感じやすく反発を買いやすい。

さらに言うと被害的になりやすい。

たとえば、危ない事などに対して「あれやっちゃダメ」という教え方よりは、いっその事、安全にやる方法を教える方が良いと言われています。

否定的な助言よりは肯定的な助言をした方が良いと言われています。

わたくしのコンサル経験で言うと、肯定的な助言であっても、対案や別案、クライアントの案を改善したものを出した時点で否定されたと感じてしまう方が多く、大人に対しては、このアプローチは極めて難しいです。

それが「大人の勉強と言う言葉は嘘である」とわたくしが言っている理由でもあります。

話を学生の飲酒に戻すと、「一気飲みを止めましょう」という喚起より、いっその事、大人の人がおしゃれなバー?か何かに連れて行って、かっこいいお酒の飲み方、おしゃれな酒の飲み方でも教えた方が良いのでは?と

これは注意喚起の方法論の話で、

で、もう一つ、どうして死ぬと分かって一気飲みをするのか?させるのか?

これは場の空気、雰囲気でやっていると思います。

「場の空気、雰囲気」というのは恐ろしいもので、舞い上がると基本が全部吹っ飛んでしまいます。

分かり易く言うと、教えた事を全部忘れます。

わたくし、過去に何度か社会問題の活動を始める準備をしていた方たちと、事前にお話をさせていただいた事がありました。

これが詐欺師だの宗教呼ばわりの理由でもありますが、わたくしが他の方とまったく異なる事を言うらしく、わたくしと話をしている時は、みなさん一所懸命に聴いてくれました。

ただ、その後ですね。

その方たちが、特に、政治屋さんに陳情に行くと、途端に言う事が変わってしまう。

態度や言葉遣いが尊大になって、何もしていない段階ですべてを成し遂げたかの様に振る舞い始める。

それだけ社会の理不尽に抑圧されたり、政治屋さんと逢うまでの緊張が極めて強かったのだと思いますが、「盛り上がった場の空気や雰囲気」というのは、衆愚政治と言うか、集団浅慮というか、社会心理学的に言うと、思考がリスキーシフトしやすい。

つまり、過激な方に向きやすいという事ですね。

そうなると同調圧力があるため、個人の理性では止められない。

この状態の方たちに、「一気飲みは止めよう」「一気飲みは危険」という啓発が、通じるとは思えないし、わたくしのコンサル経験では恨まれるか無視されるか、忘れられるかなので、静かに酒を飲む事の良さを教えた方が宜しいかと思いました。


ただ、人はバカ騒ぎというか、うるささや賑やかさを楽しさと認識しやすいため、学生がバーで静かに酒をたしなむという新歓コンパをする様になるかという事については、まったく分かりません。



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2019年6月21日 著作物です。無断転用は禁止します。 さとうかずや(さとう社会問題研究所)



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